パソコンやスマホを簡単にネットに接続できる「無線LANルーター」。自宅でパソコンやスマホ、タブレット、ゲーム機など複数台の端末でネットを楽しみたい時にとても便利です。
今回は、そんな無線ルーターでできること、最新のおすすめの無線LANルーター、注意したい置き場所などを解説していきます。
すでに無線LANルーターをお持ちの方も、Wi-Fiの速度が遅くて悩んでいる方もぜひ参考にしてみてください。
※表示価格は税込みです。
目次
そもそも無線LANルーターとは?
無線LANル―ターとは、Wi-Fiを使うために必要な機器です。
数十年前まではネットはパソコンだけで楽しむものでしたが、今やパソコン以外にもスマホやタブレット、ゲーム機、家電などでもネットを使う時代になりました。パソコンやスマホなど自宅にある複数の機器をネットに接続する時、必要になるのが無線LANルーターです。
パソコン1台なら、ONU(回線終端装置)とパソコンをLANケーブルに繋いで有線接続しますが、2台以上の機器でネットを使うためには無線での接続をするのが一般的です。「無線」とはLANケーブルを使わないことを指し、Wi-Fiに対応したスマホやパソコンなどでWi-Fi接続するだけでネットが使えるようになります。
無線LANルーターを使うメリット6つ
無線LANルーター(Wi-Fi)を使うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。Wi-Fi接続により自宅でできることをまとめてみました。
- パソコンやスマホ、ゲーム機、プリンタなどでインターネットが使える
- LANケーブルを繋がないので、家中どこでもインターネットが使える
- 家族がそれぞれの端末からネットに同時接続できる
- スマホの通信量を気にせずにインターネットやゲームが利用できる
- スマホの電波(3G・4G)より安定した速度でインターネットが使える
- 大容量のデータのダウンロードやアップロードが早くなる
無線LANルーターがあることで、①~⑥すべての環境が整います。
ただし、無線LANルーターのスペック次第ではネットに接続する時の速度も変わってきます。利用環境や用途に合わせて無線LANルーターを選ぶことが大事です。
無線LANルーターの選び方の基準はまず2つ
自分に合った無線LANルーターを選ぶためには、まず自宅のネットの利用環境を確認しておくのが先決です。お住まいの間取りや建物の回数、無線LANルーターに接続したい端末の台数などです。
・接続台数(使用人数)
住居タイプ(間取り・階数)
無線LANル―ターは機種によって電波の強度が異なります。電波の強度が強い機種ほど遠くにある端末との通信が可能になります。つまり、自宅の広さや構造に見合わない性能の無線LANルーターを購入してしまうと、電波が行き届かない可能性があるんです。
そこで参考にしたいのが、無線LANルーターの製品説明にある「住居の間取りの目安」です。「戸建3階建て」「マンション4LDK」と言った感じで目安が記載されています。とりあえずこの目安を参考にすれば、手っ取り早く自分に合った無線LANルーターを選ぶことができるでしょう。
ただし、この時少しスペックに余裕のある機種を選ぶのがポイントです。
接続台数
無線LANルーターには、同時で接続する端末の推奨台数があります。家族でパソコン2台、スマホ3台を接続したい場合は、接続可能台数5台以上のものを選ぶ必要があります。
最近では、IOT(モノのインターネット)が進んでおり、エアコンや冷蔵庫、電子レンジなどの家電もネットで接続するようになってきています。数十年前までは、ネットに接続する機器と言えばパソコンという時代だったくらいですからね。それを考えると、今後ネットの接続台数は増える可能性があるので、少し多く見積もって選んでもいいでしょう。
無線LANルーターを機能で選ぶならチェックしておきたい用語
無線LANルーターには、それぞれ便利な機能が備わっています。無線LANルーターを検索するとよく出てくる用語でもあるので、一通りここでチェックしておきましょう。
- 通信規格
- IPv6
- 周波数帯
- MU-MIMO
- ビームフォーミング
ご紹介するのは上記5つの機能です。
通信規格
無線LANルーターをお持ちの方は、「IEEE802.11」という単語を見たことがあるかと思います。「IEEE802.11」は無線の国際的な規格を表し、「IEEE802」は「アイ・トリプルイー・ハチマルニ」と呼びます。
規格は次の7種類があり、それぞれの周波数帯と最大通信速度が異なります。
規格 | 周波数帯 | 最大通信速度 |
---|---|---|
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE802.11n | 2.4GHz/5GHz | 600Mbps |
IEEE802.11ac | 5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ad | 60GHz | 6.8Gbps |
IEEE802.11ax | 2.4GHz/5GHz | 9.6Gbps |
自宅に最大通信速度が1Gbpsの高速なインターネットを引いていても、無線LANルーターの最大通信速度が600Mbpsなら無線接続で600Mbps以上出ることはありません。
光回線などの高速通信対応している場合は、11ac以降の規格に対応している無線LANルーターを購入するのがおすすめです。
IPv6
IPv6とは、混雑を回避するための次世代型の通信方式です。
インターネット回線に接続をするときの接続方式はこれまで「IPv4」が主流でしたが、IPv4ではIPアドレスが枯渇することが問題になってきました。そこで登場したIPv6では、無限のIPアドレスを使えるため、IPv4よりも空いているル―トを通ってネットに接続できるんです。
IPv4とIPv6の違いを道路に例えるとこんな感じです。
IPv4は利用者が集中するので、サーバーが重たくなりインターネット接続時の速度が遅くなります。一方でIPv6では、利用者が集中しても、空いているルートから最短のルートを自動で選択してくれます。
インターネット回線によっては、オプションとして提供され回線会社からルーターをレンタルできるところもあります。
現在販売されている無線LANルーターはほとんどがIPv6に対応していますが、安価な無線LANルーターを選ぶと対応していない場合もあります。
周波数帯
無線LANルーターの電波は、主に「2.4GHz」「5GHz」の2種類の周波数帯です。ここ最近では「60GHz」の周波数帯のものも出てきましたが、それぞれにメリットととデメリットがあります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
2.4GHz | ・障害物に強い ・通信距離が長い | ・電波干渉を受けやすい ・速度が遅い |
5GHz | ・電波干渉に強い ・速度が速い | ・障害物に弱い ・通信距離が短い |
60GHz | ・電波干渉に強い ・速度が速い | ・障害物に非常に弱い ・通信距離が非常に短い |
例えば、ワンルームのマンションなら通信距離が短くても速度が速い「5GHz」のものが適しています。屋外で利用するには通信距離が長い「2.4GHz」が向いています。最近は「5GHz」と「2.4GHz」の両方が使える無線LANルーターもあります。
「60GHz」は通信速度は速いのですが、まだ対応機器が少なく使い勝手があまり良くありません。
MU-MIMO
MU-MIMO(マルチユーザー・マイモ)とは、簡単に言うと、パソコンやスマホなど複数の端末を接続してもWI-Fiの速度が落ちにくい技術です。これまでのシングルユーザー(SU-MIMO)では、スマホやパソコンなどの端末一台ごとに順々に通信を行うため、通信端末が増えるほど速度が低下するデメリットがありました。一方で、MU-MIMOでは複数の端末と同時に通信が可能です。
複数の端末を同時接続している人にはおすすめの機能ですが、パソコンやスマホなど接続する端末(子機)でもMU-MIMOに対応している必要があります。
ビームフォーミング
ビームフォーミングとは、Wi-Fiの通信を安定させ速度を高めるための機能です。
通常のWi-Fi通信では、無線LANルーターは電波を360度均一に送信します。ですが、ビームフォーミングを使うとパソコンやスマホなど電波を受信する端末の位置を自動で判断し、端末に向けて最適な電波を送信できるんです。
MU-MIMOとビームフォーミングを組み合わせると家中のどこでも繋がりやすくなりますが、前提としてパソコンやスマホなど接続する端末(子機)でも、ビームフォーミングに対応している必要があります。
おすすめの無線LANルーター4選
ではおすすめの無線LANルーターを紹介していきます。
実際のご自宅の間取りに合わしたルーターを購入するのもいいかもしれませんが、1部屋のみの推奨ルーターはあまりスペックが高くないため、3LDK以上に対応しているルーターを購入するのがおすすめです。
BUFFALO 「WSR-2533DHP2」
※Buffalo公式HPより
価格ドットコムの「2019年プロダクトアワード」の無線LANルーター部門で銅賞を獲得したモデルです。
IPv6やビームフォーミング、MU-MIMOにも対応しているスペックの高さが特徴です。また、デュアルコアCPUを搭載しているため処理速度も速いです。
メーカー | BUFFALO(バッファロー) |
型番 | WSR-2533DHP2 |
定価 | 14,410円 |
間取 | 戸建3階建て・マンション4LDK |
接続 | 人数6人・端末18台 |
無線方式 | 11ac/n/a/g/b |
最大転送速度 | 5GHz(1733Mbps)・2.4 GHz(800Mbps) |
有線LANポート | WANポート×1・LANポート×4 |
本体サイズ (幅×高さ×奥行)mm | 37.5×160×160mm |
重量 | 約382g |
消費電力 | 13.8W(最大) |
IPv6 | 〇 |
MU-MIMO対応 | 〇 |
ビームフォーミング対応 | 〇 |
I-O DATA 「WN-AX1167GR2」
※I-O DATA公式HPより
IPv6やビームフォーミング、MU-MIMOなど必要な機能が全て揃っているにもかかわらず、手が届きやすい価格のコスパ抜群のモデル。金額を抑えたい方におすすめです。
「WSR-2533DHP2」よりも速度は劣りますが、867Mbps出れば十分な速度と言えます。
360度死角を作らない360コネクトを搭載しているので、電波も行き届きやすいです。また、ネットフィルタリング×Wi-Fiマモル機能も搭載しているのでセキュリティ面でも安心。
メーカー | I-O DATA(アイ・オー・データ) |
型番 | WN-AX1167GR2 |
定価 | 7,920円(税抜) |
間取 | 戸建3階建て・マンション4LDK |
接続 | 端末16台 |
無線方式 | 11ac/n/a/g/b |
最大転送速度 | 5GHz帯867Mbps・2.4GHz帯300Mbps |
有線LANポート | WANポート×1・LANポート×4 |
本体サイズ (幅×高さ×奥行)mm | 150×157×83 |
重量 | 約250g |
消費電力 | 10W |
IPv6 | 〇 |
MU-MIMO対応 | 〇 |
ビームフォーミング対応 | 〇 |
NECプラットフォームズ 「WG2600HP3」
※NECプラットフォームズ公式HPより
値段は高いのですが、スペックがかなり高いモデルです。とにかく性能の良い無線ルーターをお探しの方におすすめです。
NECが独自に搭載した「IPv6 High Speed」により高速通信も可能となっています。
メーカー | NECプラットフォームズ |
型番 | WG2600HP3 |
定価 | オープン |
間取 | 戸建3階建て・マンション4LDK |
接続 | 人数6人・端末18台 |
無線方式 | 11ac/n/a/g/b |
最大転送速度 | 5GHz帯1733Mbps・2.4GHz帯800Mbps |
有線LANポート | WANポート×1・LANポート×4 |
本体サイズ (幅×高さ×奥行)mm | 38×129.5×170 |
重量 | 約0.6kg |
消費電力 | 20W |
IPv6 | 〇 |
MU-MIMO対応 | 〇 |
ビームフォーミング対応 | 〇 |
BUFFALO 「WXR-5950AX12」
※Buffalo公式HPより
BUFFALO史上最速のWi-Fi6対応の高速ルーター。Wi-Fi6はインターネット回線10Gbpsに適した規格なので、逆に1Gbpsの回線では持て余してしまいます。5Gbpsや10Gbpsの回線を検討・利用している方におすすめです。
特許出願済みのデュアルスタックダイポールアンテナで、強力な電波飛ばすことが可能になっています。
メーカー | BUFFALO(バッファロー) |
型番 | WXR-5950AX12 |
定価 | オープン |
間取 | 戸建3階建て・マンション4LDK |
接続 | 人数12人・端末36台 |
無線方式 | 11a/b/g/n/ac/ax |
最大転送速度 | 5GHz(4803Mbps)・2.4 GHz(1147Mbps) |
有線LANポート | WANポート×1・LANポート×4 |
本体サイズ (幅×高さ×奥行)mm | 300×195×75mm |
重量 | 約1580g |
消費電力 | 37.1W(最大) |
IPv6 | 〇 |
MU-MIMO対応 | 〇 |
ビームフォーミング対応 | 〇 |
無線LANルーターの設定方法
無線LANルーターの設定方法についてですが、利用するデバイスによって設定方法は異なります。
ONU(回線終端装置、モデム)と無線LANルーターの接続方法
冒頭で説明をした、工事のときはONU(回線終端装置、モデム)までの設置となり、無線LANルーターとONUの接続は自分でしないといけません。
ONUと無線LANルーターはLANケーブルで接続をします。
- ONUのLANの差込口にLANケーブルを挿す
- ONUに挿したLANケーブルを無線LANルーターのWANのところに挿す
以上でONUと無線LANルーターの接続は完了です。
iOS(iPhone)の設定方法
- ホーム画面にある【設定】をタップします。
- 【Wi-Fi】をタップします。
※Wi-Fiがオフになっている場合はオンに変更してください。 - 【ネットワークを選択】から無線LANルーターの側面か底面にある、SSIDを探してタップします。
- 対象のSSIDをタップすると【パスワード入力】画面に遷移するため、無線LANルーターのSSIDの下に書かれているKeyまたはPASSの入力をしてください。
- 入力が完了すると無線接続済みを示すアイコンが表示されます。
- ホーム画面のSafariからインターネットに接続するか試してみましょう。
- インターネットへの接続の確認が取れれば完了です。
アンドロイド(Android)の設定方法
- 【設定】をタップします。
- 【Wi-Fi】をタップします。
※Wi-Fiがオフになっている場合は、オンにしてください。 - タップするとSSIDの一覧が出てきますので、対象のSSIDをタップしてください。
- 対象のSSIDをタップするとパスワード(暗号化キー)の入力画面に遷移します。
無線LANルーターのSSIDの下に書かれているKeyまたはPASSの入力をしてください。 - 入力が完了すると無線接続済みを示すアイコンが表示されます。
注意したい無線LANルーターの置き場所
あまり普段意識していないかもしれませんが、無線LANルーターは置き場所が結構大事です。置く場所によっては、無線LANルーターの電波が届きにくくなったりします。もし「電波が入りづらいな」「電波が届かない部屋があるな」と感じたら、次のことを試してみてください。
ポイント①高い場所に置く
ONU(回線終端装置)に繋いだまま無線LANルーターを床にじかに置いている人もいるかもしれませんが、床から1~2mくらい離して置いた方が周囲に遮蔽物がないので電波が届きやすくなります。また、アンテナ付きのルーターを使う場合はアンテナを天井に向けて立てるようにしましょう。
ポイント②布などを被せない
遮蔽物に弱い無線LANル―ターの特性を考えると分かりますが、上に布をかけたりすると電波が遮られてしまいます。熱もこもりやすくなってしまうのでやめましょう。
ポイント③奥の部屋や部屋の隅に置かない
複数の部屋がある家で奥の方の部屋や、部屋の隅に無線LANルーターを置くと、接続している機器に電波が行き届きにくくなります。無線LANルーターの電波は360度円形に飛んでいくので、なるべく家の中心に置くのがいいでしょう。
家の中心に置くことが難しく、どうしても電波が入らない部屋がある場合は、中継器の併用を検討してもいいでしょう。電波の届きにくいところと、無線LANルーターの間あたりに中継器を置くことで、解決することが多いです。
まとめ
今回は、無線LANルーターのメリットやおすすめの機種の紹介、設定方法や設置場所まで解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
実際に購入するとなると、なにを基準にいくらくらいの物を購入すればいいか判断がしにくいですよね。
今回解説した情報を参考にしていただければ、ある程度購入する商品が絞れるのではないでしょうか。